Vol.2 | チーム佐川印刷
超・大ロット印刷を、垂直統合、
総合力でプロデュース。
1セット10分冊で合計約17,000ページを約21万セット。総重量約5,000トンを超える超・大ロット印刷。
それが、トラスコ中山様が毎年発刊される機械工具類カタログ「オレンジブッグ」です。佐川印刷は、この編集から、
印刷、全国各地への配送、納品までの一貫作業をトータルにプロデュースしています。2020年版で21年目。
“チーム佐川印刷”の総力を結集したプロジェクト。これまで着実な成果をあげ、高い評価をいただいています。
SESSION 01
コスト面・納期面の
優位性から制作効率の向上へ。
受注時のページ数は合計約3,000ページ、約46万部。現在に比べると1/6程度のページ数とはいえ、当時の佐川印刷にとっては経験したことのない大ロット印刷案件でした。受注の決め手は、まず、コスト面の優位性。2000年版は移行期ということもあり、オフセット輪転機で印刷。翌年からは、製本加工まで一貫した生産ラインを持つ日野工場に“オレンジブック・シフト”を敷き、一度に大量に印刷できるグラビア印刷を採用しました。一方で、最初にご支給いただけたのは紙ベースの原稿。入力作業など制作工程は、まさにゼロからのスタートでした。また、写真は、まだポジフィルムという状態だったため、情報整理、管理の効率化も大きな課題でした。そうした条件下で試行錯誤を繰り返す中、2004年頃、商品情報のデータベース構築という話が持ち上がります。
SESSION 02
カタログが、商品情報管理の
“バイブル”になる。
カタログデータベースづくりを佐川印刷が担当し、その基本データとトラスコ中山様が保有されるデータを連携させるシステム。追加、修正された最新データを、次年の制作時にご支給いただくことで、作業の精度、スピードは一気に向上します。仕入先であるメーカー様からもアクセス可能な仕組みにより、情報更新に伴うご担当者様の労力は大幅に軽減されました。仕入先は現在、約1,700社。その個別商品情報がカタログ制作のプロセスでひとつに統合され、最終的にはトラスコ中山様の在庫管理などとも連動。商品カタログが、各部門とネットワークでつながり、商品情報管理の“バイブル”になるのです。単に“量への対応”に終始するのではなく、よりシステマチックなカタログ制作へ。その後も、自動組版につなげるシステムの開発など、佐川印刷の各担当部署がそれぞれの角度から効率化を進めることになります。
SESSION 03
カタログ自体の機能、
価値を高め、進化させる。
一貫生産体制だから見えてくる改善点、対応策もあります。ページ数が多い印刷物に発生しがちな製本時の断裁不良は、グラビア彫刻段階での余白調整、入稿データのトンボサイズ変更など、前工程と課題を共有することで迅速に、的確に改善。活版印刷で行っていた1,500種類以上ある販売店名の“名入れ”を、現在はデジタルプリプレス部が小ロット多品種に適したオンデマンド印刷で対応しています。掲載商品の増加に伴うページ数、容量・重量増に対しては、より薄く、軽く、それでいてコスト競争力のある用紙を提案。企画制作部のクリエイティブワークに関しては、「日本BtoB広告賞」を受賞するというトピックもあります。納品がゴールではなく、さらなる改善を目指す。多面的な提案で、カタログ自体の機能、価値を高め、「オレンジブック」を年々、進化させていくことが私たちの仕事です。
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SDGsへの取り組み
「VISION REPORT」はSDGsとも親和性が高く、本記事に掲載した取り組みで以下の目標の達成貢献を目指しています。