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社会課題の解決

Vol.5 | クリーン・ファクトリー 環境への取り組み。
お客様とともに国際目標に向かって。

インキなどの化学製品、天然素材でもある紙を取り扱う印刷会社に求められること。
「お客様に喜んでいただける商品づくり」を第一に考える佐川印刷だからやらなければいけないこと。
国際的な開発目標、SDGsも強く意識しながら、持続可能な社会実現のための取り組みを積極的に推進する佐川印刷。
私たちの環境に対する考え方、目に見える成果、実績を、1996年から稼働している日野工場を例に紹介します。

SESSION 01 「京都議定書」が採択された、
この地だからこそ。

温室効果ガス排出量削減活動の起点ともいえる京都に本社を置く佐川印刷は、CO2削減に向け、先進的な取り組みを進めてきました。そのひとつの象徴が、最大出力1,990kwhを誇る日野工場メガソーラー発電所です。年間総発電量は一般家庭約500軒分の消費電力量に相当します。さらに、日野工場では、CO2排出係数が最も少ない都市ガスを燃料にして自家発電。工場で消費する電力の約1/3をまかない、排熱も回収するコジェネレーションシステムを採用しています。この熱エネルギーで毎時5.9トンの蒸気を発生させ、乾燥設備の熱源、空調機の加熱、加湿などに利用。総合エネルギー効率70~80%は従来の送電エネルギーの2倍近い数字です。「パリ協定」が2015年に採択されて以降、世界は脱炭素化に、より大きく舵を切りました。佐川印刷のCO2削減への取り組みも、現状がゴールではありません。

SESSION 02 徹底した“循環”で、
常識を覆す成果を。

揮発性有機溶剤、トルエンを含むインキを使用するグラビア印刷は、一般的に環境負荷が大きいと思われています。しかし、日野工場では、徹底した“循環”をキーワードに、常識を覆す成果をあげています。光化学オキシダント(光化学スモッグ)の原因物質にもなるトルエンは、使用後、活性炭吸着方式で99%を回収し、“循環利用”。厳正な管理の下、不要分は外部に出荷します。また、この回収装置が必要とする大量の蒸気は、コジェネレーションシステムから効率的に“循環供給”。エネルギーロスも最小限に抑える仕組みです。軟包材工場のフィルム印刷で使用しているのは無溶剤の水性インキ。フィルムの接着加工をするのは、ノンソルベント(無溶剤)ラミネータです。まさに、隅から隅まで。私たちが、「クリーン・ファクトリー」と胸を張る理由はここにあります。

SESSION 03 きめ細かな活動の足し算を、日々コツコツ。

環境負荷低減活動は、小さな積み重ねが何より大切です。工場内の照明器具をLEDに更新することで、照明にかかる電力消費量は1/3になりました。ポンプ類や冷却用冷凍機、大型動力機器については、インバータ機を導入。近畿の水がめ、琵琶湖の水質に直結する排水処理に、厳しい目を光らせているのはいうまでもありません。エネルギー消費、各種の環境基準運用状況は、中央監視室で休むことなく集中管理。そして、日野工場は、紙倉庫から印刷、製本工場までを、同じ敷地内に集約しているという大きな特長があります。工程ごとの移動距離が少なく、作業完結までの輸送エネルギーの大幅な低減を実現しています。2020年春には、作業用ユニフォームをカーボンオフセット(CO2排出権付)契約したものに一新。それぞれの部署、事業所で、グループ全体で、きめ細かな活動の足し算を、日々コツコツ、積み重ねていく。これからもお客様と高い環境意識を共有し、全社員参加型で、弛まぬ努力、挑戦を続けます。